躰道って何?
「躰道」は、空手から派生して1965年に生まれた新しい武道です。
一言でいえば、
「空手×体操」の武道。バク転・バク宙のような動きを組み合わせた、3次元的な攻防を行います。
躰道の競技
躰道には、空手同様、「型」や「組み手」の競技があります。
また、躰道特有の
「展開」という競技もあります。
法形
「法形」は、空手でいう
「型」のこと。
学生の競技では、次の法形の出来栄えを競います。
- 旋体の法形/旋陰の法形
- 運体の法形/運陰の法形
- 変体の法形/変陰の法形
- 捻体の法形/捻陰の法形
- 転体の法形/転陰の法形
もともと、「〇体の法形」は男性用、「〇陰の法形」は女性用に作られています。現状では、男子の競技では「〇体の法形」、女子の競技では「〇陰の法形」を行うのが原則です。
試合の様子はこちら↓↓
実戦
「実戦」は、空手でいう
「組み手」。
胴にプロテクターをつけ、技を実際に相手に当てます。
躰道は
「かわす武道」です。基本的に、相手の技を受ける(手で蹴りを受け止める、など)ことはせず、かわして回避します。
また、前後だけでなく上下左右にも移動しながら、
三次元の攻防を行うのが大きな特徴です。
↓↓三次元の動きの様子が、お分かりいただけるでしょうか..?
展開
「展開」は、躰道の花形競技。
主役1人と脇役5人にわかれ、主役が脇役全員を倒していく
ヒーローショーのような演武を行い、その出来栄えを点数で競います。
体操の動きを取り入れた
三次元の攻防が最も活きる競技です。
5種類の操体 ― 旋・運・変・捻・転
躰道は
「空手×体操」の武道だとご紹介しました。
ですが、躰道家の間では、躰道は
「体軸の変化で攻防を展開する武道」だと言われています。
つまり、手足の曲げ伸ばしだけで突き蹴りを行うのではなく、体軸(≒脊柱)を変化させる動きによって、攻撃したりかわしたりする、ということです。
その体軸の動かし方には
旋・運・変・捻・転の5種類があり、躰道の技はこのどれかに分類されます。
旋
体軸を旋回させ、コマのような動きで技を行います。
躰道を始めて最初に練習するのは、たいていこの旋の技です。安定して旋回する練習をするうち、「体軸」の意識が身についていきます。
運
体軸を上下に変化させて、技を出します。
相手の蹴りを、跳んでよけて突く。跳びあがり、跳躍や落下の力を使って蹴る、など。
「3次元の攻防」のうち、鉛直方向の動きがよく表れている技です。同時に、上下動のエネルギーの分だけ
威力の高い技でもあります。
変
体軸を倒して技を繰り出します。
体を倒して相手の攻撃をかわしつつ蹴りを出す
攻防一体の動きをします。
躰道は「攻防一体の武道」とも言われます。「かわす武道」として相手の攻撃を受けずにかわす一方、同時に攻撃を行います。
捻
渦を巻くように体軸をひねって技を出します。
体軸のひねりの力を使って
背後の敵に死角から蹴りを回し当てる
「捻体半月当て」や、相手に足で絡みつきひねって倒す「捻体足絡み/胴絡み/首絡み」など。見た目にも栄える花形の技の一つです。
転
体操の「床」種目のように、体軸を弧状にもしつつ、体を回転させながら技を行います。
躰道の
「体操」の要素。前後転や側転、さらには
バク転やバク宙、側宙、捻宙などを、型(法形)などの中に取り入れます。
このような「体操」の動きを、戦いの中で有意義な形でできるように練習していきます。