寄稿 医歯大躰道部フリーハンデ[法形編] (1976-2002)   文責 柴田俊一

(はじめに)昨年の実戦編が一部でご好評をいただきましたので引き続き法形編を書かせていただきます。法形は個人がもっている能力がそのまま発揮される場合が多いので実戦にくらべると一見ランキングは付けやすいと考えられますが競技体系の違いなどで世代間の比較を行うのはたいへん難しいものです。すなわち個人法形競技が学生大会に採用されたのが昭和58年であり、それまでは法形競技といえば団体法形競技を指し個法は全日本に出る本当に能力の高い選手のみの競技であった。学生大会に個法が導入されてからこの競技に意義を見い出し、独自の練習法を編み出してその意義を追求する選手が現れるようになり医歯大では川越がそのような選手の第一号であると思われる。その流れは塩崎に引き継がれその塩崎の指導を通して宮下に引き継がれているといえます。従って昭和58年の前と後では比較がたいへん難しく、また団法も昔は変体の法形であったのが平成3年から転体が主体となり、転技が重視されるようになったのでますます比較が難しくなっています。ここでは一応成績をもとにハンデを付けてはいるものの結局また私の主観が主なる根拠ということになるでしょう。宮下は現在6年でOBとはいいがたいのだが彼を基準にしないとハンデがつけられないので一部現役部員も入れることにしました。また女子は別にしようかとも思いましたが所詮無理な比較をしている上、実際に城北地区大会の級位法形競技などでは男女混合で競技を行っているので一緒にいれることにしました。医歯大躰道部女子の歴史に関してはまた別な機会に述べさせていただきたいと思います。アンダーラインは女子(旧姓です)を示します。

66 宮下(M6)
65
64
63宮崎(S53)、片山(H2)
62塩崎(H6)、
61守澤(S56)、金(S60)、川越(H3)、新田(S56)、
60伊藤(S55)、高田(正)(S55)、木本 (S57)、中島(S57)、内田(H2)、森田(S62)、堀内(M6)、宇賀山(S54)、
59村田(S54)、大村(S55)、古木(S63)、遠坂(S61)、福本(H6)、野々村(H6)、鹿島田(H6)、石川(H6)、古山(M4)、吉次(S54)、堀江(S63)、喜多(M5)
58北沢(S54)、曽根田(S56)、高田(義)(S58)、鬼澤(S58)、神山(S58)、役山(S60)、渡辺(功)(S61)、儘田(S61)、島田(S62)、佐藤(栄)(H1)、青木(H1)、叶内(H2)、和泉(H2)、板倉(H7)、文村(H9)、岡部(H10)、南(H12)、三枝(D6)、町田(M5)、中島(S58)、田辺(S59)、野中(H8)、戸田(H10)
57、橋本(S54)、田辺(S54)、土井(S57)、永井(S57)、沢辺(S58)、小山(S61)、寺田(S59)、上坂(S59)、小島(小川)(S61)、渡辺(竜)(S59)、馬場(H1)、和田(H1)、和泉(H2)、田中(H2)、時岡(H3)、加藤(H4)、西頭(H5)、戸谷(H9)、馬屋原(H9)、尾関(H12)、越田(H4)、吉田(H8)、金井(H8)、新倉(H12)、松尾 (H14)、原口(H14)
56、その他全員

(解説) 全日本優勝2回、学生大会優勝、2位、3位、世界選手権優勝の実績をもつ宮下が文句なくトップハンデとなります。宮下の法形を一言で形容すると「流麗」ということになるかと思われます。要するに見た目がとにかくきれいなわけです。ゴツゴツした力強い法形が好きな人には若干の違和感があるようですが個性が重視される個法においてひとつの形を作ったということでたいへん評価されるべきだと思われます。宮下に次ぐのはまず塩崎であるが彼は学生大会での成績が3、2、3位であり全日本ではベスト8が最高であったのに対し宮崎監督は全日本3位の成績があり個人法形が重視されていなかった当時の事情を考慮するとやはり塩崎より上になるでしょう。ただし塩崎は宮下を指導した業績がありそのコーチとしての指導分を評価すればもう少し上になるでしょう。また彼は自分独自の個人法形に関する技術論があるようでいずれそれを文章か映像に残してくれることを期待します。片山に関しては学生大会の実績が優勝2回、2位、3位であり塩崎との比較から63で監督と同じになりました。宮原選手(大東大)との勝負はいまだに語り種になっています。学生大会の結果は昨年発行したものをご参照ください。彼女の場合つくづく残念なのは現役時代に女子実戦競技がなかったことでもしそれがあれば3連覇、4連覇も可能だったでしょう。それほど実に彼女は実戦競技むきの選手だったと思います。61にランクした中で守澤さんは学生大会に個法がなかった時代に活躍したがロンダード=バック転がはじめからできたほどの身体能力があり(教養2年から展開の5番をやっていた)次の金と比較しても2人がもし対戦すれば相当な確率で守澤さんが勝つと思われるのでこのハンデでも低いくらいかもしれません。その金は学生大会に個法が最初に導入された17回大会の優勝者でその後宮下まで男子では優勝者がでなかったことを考えるとたいへん評価されるべきことだと思われます。ただ金は特に個法を意識して練習していたわけではなく卓越した能力で勝ってしまったというところだと思われます。ちなみに当時の個法の予選は板の間で行われていました。同ランクの川越は上述したように個法という競技を自分で意識して練習をした最初の選手であると思われます。最高成績は22回学生大会の準優勝であるがこの時の優勝者が当時の大スターであった門馬(兄)(東福大)であったことを考慮すればたいへん誇るべき成績であり個法選手のパイオニアであることも加味してこのランクとなりました。新田は女子の競技が学生大会で始まった直後の選手であるがいくら黎明期であっても2連覇(第13、14回)というのはやはり偉業でありしかも学年も2年、3年であった(当時の看護学校は3年制)事も考えればこのランクも妥当なものであると思われます。彼女は卒業後2年後くらいに一度顔を見ただけで以後まるであっていないが福島の田舎でたぶん元気に活躍していることでしょう。60にランクされた選手は団法で実績をあげた者のなかでも特に秀でた者ということになりますがここでは2通りのタイプがあります。すなわち基本技がすぐれているものと転技がうまいものである。特に近年転技が重視されるようになったのでそれがうまい者、特に展開の5番をやった者は必然的にランクが上がるということになります。伊藤さん、木本、内田は前者のタイプで個法向きではなかったものの団法でセンターに位置することによりその存在感で団法全体を引きあげるという共通のすぐれたキャラがあった。こういうタイプの選手には変体の法形というのは実にピッタリくるところである。高田(正)さん、中島、森田、堀内は転技、具体的にはロンダ−ド=バック転(宙)を軽くできるという点でこのランクとなっている。展開競技のフリーハンデというのは考えられないがこれらの選手はいずれも展開競技にには欠くことのできない人材であった。堀内は宮下とともに現在6年で今年も試合に出てくれるようなのでまだランクが上に行く可能性があり頑張ってほしいものです。宇賀山は私と同期の女子部員で、実は躰道部が女子部員を受け入れたのは彼女達が最初です。女子の競技としてはまだ黎明期ではあったものの第12回学生大会での準優勝は彼女が3年生の時であり厳しい臨床実習(当時の看護学校の臨床実習はまちがいなく現在より厳しいものであった)の合間をぬって練習した結果でありたいへん価値があるものである。彼女には全日本で3位という実績があることも付記しておきます。59も60と同様な意味合いでランク付けされているが村田さん、大村さん、古木は基本技、遠坂は転技のうまさでランクインしている。遠坂の世代では渡辺(功)や儘田の方が技量的には多分上であったかと思われるがそのような事情で遠坂の方が上位になっています。福本、野々村、鹿島田、石川に関しては彼等に塩崎を加えた5人が第26回学生大会団法で優勝をしているので特にここにランク付けしました。この優勝は団法が転体の法形に変わってはじめてのそして現在に至るまで唯一のものであり、たいへん意義あるものです。この時の法形はビデオに残されており鑑賞することができます。古山は現在の主将でありこれは暫定ランクであることはいうまでもない。吉次(大会成績表では「古沢」となっているが間違いである)は宇賀山とともに女子部員の1期生であり同じ大会(12回)で3位の成績をあげています。堀江は片山の影に隠れて目立った成績はないのだが他の選手と比較してこのランクには十分入ると思われる。喜多は現在5年生であり、城北地区レベルではトップクラスの実力がある。現在躰道界全体で女子選手の層が昔にくらべるとたいへん厚くなっているのでひょっとすると吉次らより実力は上なのかも知れないが昔の事はどんどん美化されていくのでこのランクとなりました。58以下にランクされた面々はもうほとんど差がなくランク自体あまり意味がありません。ただ実戦編では上位であった鬼澤や佐藤(栄)もこと法形に関してはこの辺かと思われます。もちろん下手という意味ではなくそもそも彼等は実戦に比べて法形競技自体があまり好きではなく法形の練習を好んでしなかったという点もあります。また三枝、町田に関しては宮下、堀内、古山を加えたメンバーで昨年の学生大会団法で塩崎達の時に次ぐ準優勝をはたしている点を強調しておきたいと思います。最後に自分(柴田)のランクだが私は法形は下手でありまた鬼澤らと同様正直いってあまり好きではないのでまちがいなく56でしょう。私も25年間部活とかかわってきているが、一時期仕事の都合や留学で離れていた時期がありあまり実情がわからない世代もあります。ご意見がありましたらご一報ください。